オルタナティブな農・食・流通・教育の先駆者との交流から創るタイNGO・新時代への挑戦3

  • アジア・市民交流助成
採択年度
平成30 (2018) 年度
助成額
JPY 1,287,234
活動国・地域
日本

これまで2年間にわたって、タイにおける食の安全保障を守っていくために、消費者をも巻き込んだ生産と販売システムの構築を目的に日本の有機農業運動の実践を学ぶ交流プログラムを実施してきた。

3年目になる2018年は、「生産者と消費者を結ぶ活動」を実践するタイ人7名を招へいし、14日間の交流プログラムを実施した。 これまでの日本での交流プログラムを通じて、日本の生協のように大規模な流通システムではなく、タイの状況に合ったより小さい範囲での小さなモデルを模索していく方向性が定まってきたので、今回は、そうした方向性に合致するプログラムを企画した。具体的には、生活クラブ生協の店舗型(デポー)の取組み、生活クラブと取引をする栃木県の生産者との交流、埼玉県小川町での生産者以外のセクターとの協働の在り方、千葉県東金市での若手農家のグループの営農の経験を学ぶ機会を持った。

平成28年度実績 https://grant-fellowship-db.jfac.jp/ja/grant/pp1640/
平成29年度実績 https://grant-fellowship-db.jfac.jp/ja/grant/pp1734/

小川町で大豆栽培の圃場を見学
小川町のレストランの店頭に並ぶ地域の有機野菜
栃木県のキャベツ農家の圃場で生活クラブとの取引の歴史を学んだ
小川町産の大豆を使った豆腐加工店で話を伺った
生活クラブのデポーの取り組みを学ぶ

申請団体より

招へいしたタイ人の感想を紹介する。

「生活クラブでは、生産者と組合員が一体となって、生産者が抱えている問題を組合員自らが当事者となって共に理解し解決していこうとする形を作り上げていた。また、栃木のキャベツ農家の方を見学し、何歳になっても新しいことに挑戦するパワーと共に、生産物供給に対する責任感の強さを感じた。これはタイの生産者も見習うべき点だと感じた。」
「小川町で長年有機農業に取り組んできた金子美登さん(霜里農場)を中心に広がった理念は、地域の様々なセクター(行政、生産者、商店、スーパー、レストラン等)と農家が有機的に繋がり、地域をつくりあげていた。さらに、金子さんの下で研修を積んだ人たちが就農し、『有機』の理念が途切れずに次世代に繋がっていることにも感銘を受けた。」
「この交流で出会った人たちは皆、自ら考え実践している人たちだった。タイの農業の歴史では、農民は政府に勧められるままに換金作物を栽培してきた。何をどう栽培するか、それが自分の生活や経済にどのような影響を及ぼすか。それらを自分で考え、何を為すべきかを主体的に判断することが重要だ。」

交流した日本人からも下記のような感想があり、この交流プログラムを元に、新たな価値が社会に生み出されるよう、企画者としても仕掛ける努力を続けていきたい。
「日本に来られる方々は、人と人、地域と人、都市と農村をつなぎながら、活動に地道に取り組まれ、社会を少しずつ変えていっているさまが伺えます。日本に来てもらうだけでなく、日本から出かけて行ってそうした活動に学ぶことがいま必要ではないか、と切実に感じています。」

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申請団体

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活動国・地域

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