フェローシップ活動報告会を開催しました(4月18日)

2018年4月26日

2014年度に開始したアジア・フェローシッププログラムは、「国の枠を超えた文化の担い手」となる人材の育成を目的としたプログラムです。これまでに日本人33名、フィリピン、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、シンガポールから25名、計58名のフェローが採用されました。そして今年6月からは、新たに、日本人3名、ベトナム、マレーシア、フィリピンから5名のフェローが加わる予定です。

4月18日(水)に国際交流基金ホール[さくら]で行われた報告会では、約60名の参加者のもと、2017年度採用者の中から、フェロー滞在中に得た学びを活かして、帰国後に実社会での取り組みに結びつけたお二人に登壇いただきました。

山口惠子氏(俳優、演出家)は、「演劇作品『Whole』のためのPETAへのリサーチ研修」(2017年8月10日~9月10日)と題して、フィリピン教育演劇協会(PETA:Philippine Educational Theater Association)で学んだ、コミュニティでの演劇ワークショップの手法について報告されました。そして帰国半年後には、自身の活動拠点のある京都で、「ローカルな国際性」をテーマに、海外に何らかのルーツを持つ25歳以上の方々へのインタビューをもとに、アイデンティティーを問う演劇作品を創作したことにも触れました。

青尾謙氏(公益財団法人助成財団センター 参与、岡山大学大学院 専任講師)からは、「アジア共通の社会課題解決に向けた市民社会の役割:次世代リーダー協働のためのネットワーク形成」(2017年12月20日~2018年1月30日)として、シンガポール、インドネシア、タイの財団やNGO/NPO、社会的企業などの非営利セクター計45組織との面談や現地視察を経て得た考察の発表がありました。また帰国直後に行った日本の財団等の関係者を集めたワークショップで、「互いの違いを前提に、相互の学び合いをすること」の大切さや、「フェローシップによる交流促進」への認識を共有したことも報告されました。

各々の報告の後、フロアーとの質疑応答やディスカッションが活発に行われ、参加者からは「共通の課題を分野内だけで話されない点が良かった」「様々なセクターの方の意見を多面的に捉える機会となった」「具体的な活動を知るだけでなく、対話のおかげで膨らみのある内容となった」「自分もアジア・フェローシッププログラムへ挑戦してみたいと感じた」などのご感想をいただきました。

報告会の後には交流会も行われ、フェロー同士に留まらず、分野を超えた新たな出会いの場ともなりました。

山口氏、青尾氏のフェローシップ最終報告書は、フェロー一覧に掲載中です。

山口惠子
https://grant-fellowship-db.jfac.jp/fellow/fs1706/

青尾謙
https://grant-fellowship-db.jfac.jp/fellow/fs1716/

現在、2018年度第2回申請受付中(6月1日締切)です!
https://grant-fellowship-db.jfac.jp/programs/

主催
国際交流基金アジアセンター